デイトレードにおいて「ナンピン」は一見、損失を減らす“救済手法”のように見えるかもしれません。しかし、ナンピンは極めてリスクの高い行為であり、安易に使うことで致命的な損失を招くことがあります。本記事では、「ナンピン」という言葉の由来から、なぜデイトレードにおいてナンピンが推奨されないのか、またその回避策やメリットまでを詳しく解説します。
ナンピン(難平)とは、含み損のあるポジションに対して、追加で同一方向のポジションを持つことで平均取得価格を下げる手法です。この言葉は江戸時代の米相場が語源で、「価格変動の難を平らげる(平準化する)」ことから「難平」と書かれるようになりました。
デイトレードにおけるナンピンの最大の問題は、損失を膨らませるリスクを自ら招くことです。平均取得価格が下がるとはいえ、相場がさらに逆行すれば、ポジションは増えた分だけ損失が倍増します。これは「損切りしないことを前提」とした極めて危険な戦略です。
また、資金管理の面でも問題があります。ポジションを増やすごとに必要な証拠金が増え、余力がなくなると強制ロスカットのリスクが高まるためです。
ナンピンをすることで起こるリスクは以下のようなことになります。
含み損の拡大
ロスカット水準の接近
メンタルの不安定化(冷静な判断が困難)
損切りできなくなる悪循環
勝率の低下と損益バランスの崩壊
ナンピンをすることで良いことはほぼほぼありません。ナンピンをして買値に戻ったとして、おそらく利益は大きくすることなくすぐに売ろうという心理が働くので、利益は最小限となると思われます。相場の鉄則「損小利大」。特にデイトレードでは「損小利大」が原則ですが、ナンピンはその逆である「損大利小」の状態に陥りやすくなります。
一時的に助かることがあっても、相場が大きく逆行した場合に一発退場になるリスクが常に付きまとうからです。また、ナンピン癖がつくと「負けを取り返す行動」が習慣化し、トータルで見て勝率が著しく低下します。
ナンピンをしないようにするには、以下のようなことをする必要がありますね。ナンピンをしないルールを作り、そのルールは必ず守ることが重要です。
明確な損切りルールを設定する
エントリー時に最大損失額を計算しておく
ナンピンしないと心に決め、ルール化する
過去にナンピンで失敗した経験を記録・再確認する
ナンピンをしないことで、損失の拡大を防げるだけでなく、資金管理が安定し、冷静な判断ができるようになります。さらに、一つ一つのトレードに対する緊張感が増し、質の高いエントリーとエグジットを意識するようになるため、結果的に勝率が向上します。
ナンピンは、相場が元の方向に戻れば利益が出やすいため、「成功体験」となりやすいのが厄介です。しかし、これは偶然であり、繰り返すうちに必ず破綻を招きます。
「ナンピンは破滅への片道切符」と言っても過言ではありません。デイトレードでは損切りと資金管理を徹底し、ナンピンに頼らない健全なトレードルールを構築することが成功への第一歩です。ナンピンをやめることで、トレーダーとしての技術とメンタルの両方が大きく成長します。
>> デイトレードでやってはいけない「ナンピン」。その危険性と回避のすすめ。